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MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
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■目次■
表紙 ギドン・クレーメル

特集
カリスマ演奏家の魅力

インターネットなど情報技術が発達した21世紀、カリスマと呼ばれる演奏家は少なくなった。演奏家に関する情報は瞬時に世界を駆け巡り、秘密めいたカリスマ性はなくなったことが一因だろう。
かつてはそうではなかった。元祖とも言えるのは作曲家でヴァイオリニストのニコロ・パガニーニ。作曲した「24の奇想曲(カプリース)」は、左手によるピッツィカート、さまざまな重音奏法などあらゆる超絶技巧が含まれ、現代のヴァイオリニストにとっては聖典である。パガニーニはこのように圧倒的なテクニックを誇ったため、「悪魔に魂を売り渡してテクニックを手に入れた」という伝説さえ生まれたほどだ。
音楽評論家の岡本稔氏はカリスマ性を持った指揮者として、ムラヴィンスキー、ベーム、カラヤン、チェリビダッケ、カルロス・クライバー、アーノンクールをあげている。そして「彼らの演奏会では、客席に期待感からくる独特の緊張が支配し、マエストロの登場とともにそれが頂点に達し、演奏が始まるや否やその音楽に心から魅了させるということを幾度も体験した」と記す。
チェリビダッケは首席指揮者を務めたミュンヘン・フィルと何度も来日、日本でも絶大な人気を誇った。非常に遅いテンポを特徴とした。音楽評論家の広瀬大介氏は「ひとつひとつのパッセージに込められた作曲家の意図を、何が何でも聴き手に伝えようとする気迫、いや、執念のようなものが、あのテンポとなって現れている」と指摘した。
またカルロス・クライバーも日本で超のつく人気だった。そして、フルトヴェングラーと人気を二分した父エーリッヒも、残された録音がたくさんCD化され、今でも聴き続けられている。親子で優れただけでなくカリスマ性ある指揮者はクライバー親子しかいない。カルロスは、ベルリン国立歌劇場音楽監督などを務めた父と違い、劇場やオーケストラのポストは持たず、振りたい曲だけを指揮した。カリスマにしかできない仕事の仕方である。
特集は他に、◎ドナルド・キーンの「私にとってのカリスマ演奏家とは?」◎代役のチャンスをものにしたカリスマ指揮者◎バーンスタイン◎グールド◎ミケランジェリ◎パヴァロッティ、などを取り上げている。

◎BIGが語る
高松宮殿下記念世界文化賞音楽部門受賞
ギドン・クレーメル ヴァイオリン
ラトビア生まれで世界を代表するヴァイオリニストの1人、ギドン・クレーメルが今年の第28回高松宮殿下記念世界文化賞を受賞した。クレーメルは両親と祖父がヴァイオリニストという音楽一家で育った。1969年パガニーニ国際、70年チャイコフスキー国際の各コンクールで1位。「私はヴァイオリン王国で生まれたようなものです。よく言うことですが、私の運命はある程度生まれる前に決まっていたのです。運命とはいっても努力が必要です。10代のころ俳優になったり、ヴァイオリン以外の楽器をやって見ようと思ったりしたことがありました。自分に何が合っているのかは自分で決めようと決心しました」と語る。10月18日、明治記念館で行われる同賞授賞式に合わせ、来日する。

◎セイジ・オザワ松本フェスティバル
セイジ・オザワエーエム津本フェスティバル2016が、8月中旬から9月にかけて長野県松本市で開催された。総監督の小澤征爾は体調を考慮し、プログラムのブラームス「交響曲第4番」を、ベートーヴェンの交響曲第7番に変更した。「ブラームスは僕にとっては大事な曲だし、オーケストラにとっても大事なんですが、もうちょっと体が完璧の時にやりたいと思ったのです。ベートーヴェンの方が精神的には楽じゃないけど、肉体的には楽。それで変えてもらったんです。申し訳ないと思っています」と話している。

このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 山宮るり子 ハープ
など、おもしろい連載、記事が満載です。

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