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MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
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■目次■
表紙 ベートーヴェン

特集
神話と呪縛 ベートーヴェンの影響力

師走に入ると、全国各地で「第九」の「歓喜の歌」が聞こえ始める。ベートーヴェンの交響曲第9番こそ交響曲の金字塔といわれる。オーケストラに独唱と合唱を加えた斬新な発想は、当時も今も聴衆を感動に導く。今月号は、クラシック音楽の革新者であり続けたベートーヴェンの作品の歩みと、シューベルト、メンデルスゾーン、シューマン、ショパン、ワーグナー、ブルックナー、ブラームスら大作曲家たちとベートーヴェンの関係を探っている。
音楽評論家の佐伯茂樹氏は「ベートーヴェンの第九は、古典派時代に生まれた交響曲というジャンルの総決算で金字塔的存在とみなすことができる。誤解を恐れずに言えば、ベートーヴェンという作曲家は、交響曲を完成させた功労者であると同時に交響曲の破壊者でもあったのである」と記す。
大指揮者ハン・フォン・ビューローは、ブラームスの交響曲第1番を、このベートーヴェンの第九に続く、「ベートーヴェンの交響曲第10番」と呼び、高く評価した。ブラームスは慎重な性格のためもあるが、この交響曲第1番の作曲に21年という長い年月をかけている。音楽評論家の岩下眞好氏は、楽聖ベートーヴェンのプレッシャーのために作曲の時間がかかったと指摘し、「ブラームスの作曲家としての成熟のプロセスは、ベートーヴェン・コンプレックスを克服する道でもあったのだ」と書いている。
マーラーもベートーヴェンを強く意識した作曲家だった。ベートーヴェンの第九は、ワーグナーが「ベートーヴェンの第九をもって交響曲は終わった」といったぐらいの傑作。この第9番という曲数に呪縛された。交響曲第8番を作曲した後、番号をつけない声楽を伴う交響曲「大地の歌」を発表。その後に第9番を作曲した。マーラーは、第9番を作曲すると死んでしまうのではないか、という恐怖にとらわれていたという。結局、第10番はマーラーの死とともに未完成に終わった。
交響曲だけではない。ベートーヴェンのピアノ協奏曲、弦楽四重奏曲、ヴァイオリン・ソナタなどすべての分野を後世の作曲家は意識した。「後世の作曲家はベートーヴェンのピアノ・ソナタをソナタ形式の生きた実例、教科書として学んだ。ピアノを表芸としなかった作曲家も、修業中に必ず弾いて勉強した」と音楽評論家の高久暁氏は書いている。
特集は他に、◎私の魂を揺さぶるベートーヴェン(ドナルド・キーン)◎時代の鏡に映るベートーヴェン◎ウィーンの階級社会とベートーヴェン◎「ミサ・ソレムニス」を指揮する鈴木雅明◎ベートーヴェンを礼賛するフランス人、などを取り上げている。

◎BIGが語る
アルベルト・ゼッダ 指揮
日本のお祝いでは米寿。88歳を迎えたイタリアの指揮者、アルベルト・ゼッダ。ちなみにイタリアでは米寿のお祝いはないそうだ。たびたびゼッダが指揮をしている藤原歌劇団は12月1日、米寿記念のコンサートをオーチャードホールで行う。プログラムはロッシーニのスペシャリストゆえ、ロッシーニの「スターバト・マーテル」とカンタータ「テーティとペレーオの結婚」。
「真の課題は、誰にでも共通する“老いること”ではなく、生き生きと元気に活動出来て。社会の役にも立ちながら歳を重ねることなのです。音楽への熱意はこれまで決して冷めたことはありません」と話す。

◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 軽部真一 アナウンサー
ヴァイオリニスト、高嶋ちさ子とのコンサート「めざましクラシックス」が来年で20周年を迎える。「まさか20年も続けることになるとは、自分たちが一番驚いています」と軽部は話す。来年7月、東京芸術劇場で20周年記念のフェスティバルが開かれ、「めざクラ流超絶技巧選手権」などを予定している。「高嶋さんがずっと温めていた企画で、楽器もプロ、アマも一切問わず、とにかく演奏で我々やお客さんを驚かせてほしい」と話している。

このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

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