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MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
240
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表紙 浜松市楽器博物館

特集
楽器の発展と作曲家 フォルテピアノからピアノへ

多くの作曲家はピアノで作曲する。楽器が持つ音色やタッチなどの特徴は、作曲家にたくさんのインスピレーションを与える。楽器の発展とともにさまざまな名曲が生まれ、一方で、消えていった楽器や作品もある。
最初のピアノは、18世紀初め、イタリア・フィレンツェのメディチ家お抱えの楽器製作者、クリスとフォリが作った。名前は、「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」で、つまり「弱音も強音も出せるチェンバロ」である。18世紀から19世紀は、さまざまなフォルテピアノが表れた。新たな機能が付けられ、そして改良され、次々と進歩を遂げた“ピアノの時代”である。ピアノはバッハの時代には登場したが、バッハは興味を示すことなく、チェンバロで作品を作り続けた。しかし、フォルテピアノはチェンバロに代わって普及していく。ベートーヴェン(1770―1827)は、次々と新しいピアノを使い替えていった。使ったピアノは、シュタイン、エラール、シュトライヒャー、ブロードウッド、グラーフなど約10種類のメーカーがあげられる。作品の作曲年代によって使うピアノが違い、作品にはその特徴の痕跡が残る。「ベートーヴェンがおよそ40年かにわたって作曲し続けたピアノ・ソナタは、まさにピアノという楽器の発展を記した歴史絵巻という側面を持っている」と音楽学者の平野昭氏は記す。
ピアノの歴史に大きく刻まれるのは19世紀前半の鉄のフレームの開発。多くの弦を強い力で引っ張ることができるため、音量が大きくなり、広いホールでの演奏に対応でき、音色も輝かしいものになった。「鉄のフレームを必要悪ではなく、新しい音響の可能性として捉えたのはスタインウェイである。技術革新を行い、今日のピアノの1つの理想を実現する」と桐朋学園大の西原稔教授。
特集ではピアノとピアノ作品だけでなく、弦楽器や管楽器の発展も取り上げている。シューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」は現在もチェリストのレパートリーとして人気だ。しかし、本来は、アルペジョーネという名前の弦楽器のために書かれた。6弦でギターのようなフレットがあり、重音を出すことが可能な楽器。このアルペジョーネをはじめ、ヴィオラ・ダ・ガンバやヴィオラ・ダモーレらさまざまな弦楽器がいったんは歴史から消えている。しかし、20世紀の古楽復興によって、現在では復元された楽器も多い。
特集ページには、◎バッハ「ゴルトベルク変奏曲」聴き比べ◎日本のピアノの歴史と現状◎ショパンの解釈今昔◎旬のフォルテピアノ奏者◎ヴァイオリンの変遷◎フルートの改良とフルートのための作品、など盛りだくさん。

◎BIGが語る
オルガ・ペレチャッコ=マリオッティ ソプラノ
現在、新国立劇場で上演されているドニゼッティのオペラ「ルチア」のタイトルロールを歌っている。ロシア・サンクトペテルブルク生まれ。マリインスキー劇場の児童合唱団で歌っており、合唱指揮者を目指していたが、ベルリンのハンス・アイスラー音楽院で本格的に声楽を学んだ。イタリア・ペーザロのロッシーニ・アカデミーでベルカント・オペラのレッスンを積んだ。今では、ベルカント・オペラになくてはならない存在として引っ張りだこ。ルチアの役柄について「ルチアは自分の愛を守ろうとした意志の強い女性です。演じ手として歌い手としてのポテンシャルを全て表現できる。逆に言うと、自分の持っているもの全てを出さなければならない、ということです」と話す。

◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 山崎伸子 チェリスト
日本の女性チェリストの草分けの一人で、斎藤秀雄の愛弟子。東京芸大や桐朋学園大で教え、多くの後進を育ててきた。2007年にスタートしたチェロ・ソナタ・シリーズが、5月25日の紀尾井ホールで最終回を迎える。バッハの無伴奏チェロ・ソナタ第6番やマルティヌー、ラフマニノフを演奏する。ピアノは小菅優。実はバッハの曲は今でも苦手だという。「それを克服するためにもっと勉強したいのです。死ぬまでに理想の演奏が見つかるのかなと思いながらも、地道に追求していくしかない作曲家です」という。

このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

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