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MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
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■目次■
表紙 ベートーヴェン

特集
「天才作曲家 最後の作品」

作曲家の最後の作品には、自ら死期を悟って作曲した作品と、病気、思わぬアクシデントなどで亡くなり結果的に最後の作品になってしまったものがある。多くの作曲家に未完の作品が残されている。それは亡くなるまで作曲を続けざるを得なかった作曲家の性もあるだろう。
さまざまな作曲家の最後の作品で、もっとも知られているエピソードの1つが、モーツァルトの「レクイエム」。病気に冒され、借金で生活が困窮しているモーツァルトのところへ、黒ずくめの男が「匿名でレクイエムを作曲してほしい」と依頼に来た。しかし、病状の進んだモーツァルトは「レクイエム」を完成させることは出来なかった。作曲途中で、「自分のためのレクイエム」と思ったのでは、という話も伝えられている。
もう1つ、チャイコフスキーが交響曲第6番「悲愴」を作曲し終えたのは1893年8月。「悲愴」というタイトルも自身で付けている。初演は自らの指揮で10月16日にサンクトペテルブルクで行われた。しかし、9日後の10月25日、肺水腫で急死した。自殺だったという噂は今も絶えない。自殺説は「悲愴」というタイトルも影響している。しかし、「悲愴」と同時にほかの曲の作曲も続けていた。元チャイコフスキー博物館学芸員のマリーナ・チュルチェワ氏は「死の直前まで多忙を極めていた。『悲愴』は究極の世界でも辞世の句でもない、まだまだ、途上だったのである」と記している。
シューベルトとマーラーの人生は、いつも死の意識に捕らわれていた。シューベルトは14人兄弟だったが、成人できたのは5人だけ。死は身近だった。また、1823年、梅毒に感染したことを知った。当時、それは死の病だった。歌曲「死と乙女」、「美しき水車小屋の娘」「冬の旅」など著名な歌曲集は、死のテーマから逃れられない。また、50歳という働き盛りで亡くなったマーラーも死をモチーフにした作品が多い。交響曲第10番は未完に終わっており、今日まで多くの補筆版が作られた。「この曲は、きらびやかな『大地の歌』や緻密な第9番とはまったく異なって、死が作曲家を破壊しつつある様子をまざまざとうかがわせる」と音楽評論家の許光俊氏。
特集では、名演奏家の最後の録音も取り上げている。リパッティの「告別リサイタル」、ホロヴィッツの「ザ・ラスト・レコーディング」、グールドの「ゴルトベルク変奏曲」、ヴァントのブルックナー「ロマンティック」など今日まで聴かれるCDを紹介している。
他に、◎バッハ 数々の傑作と幾つもの謎◎ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番◎ブルックナー 交響曲第9番とフィナーレ◎R.シュトラウス「4つの最後の歌」◎夭折の作曲家たち◎ケッヘル番号を作った愛好家ケッヘル、楽譜を整理し作曲家の全体像を作り上げた人々、などです。

◎BIGが語る
小川典子 ピアノ・浜松国際ピアノコンクール審査委員長
イギリスと日本を本拠に活動するピアニスト、小川典子が、浜松国際ピアノコンクールの審査委員長に就任。このほど開催概要を発表する記者会見が行われた。浜松国際ピアノコンクールは、一昨年2015年のショパン・コンクールで優勝したチョ・ソンジンが15歳のとき、2009年の浜松コンクールで優勝していることから音楽界では一挙に知名度がアップ。また、今年の直木賞、本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の「蜜蜂と遠雷」が、浜松コンクールを題材にした小説で、一般にも名前が浸透した。そうした状況で審査委員長に就任した小川。「若いピアニストの離陸のお手伝いをするつもりで、大きな野心を持って全力で臨みたい。まずは浜松のコンクールを受けて、ではなく浜松が最後のコンクールになってほしい。それが私の野心です」と話している。

◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト ヴィタリ・ユシュマノフ バリトン
ロシア・サンクトペテルブルク生まれで、現在は日本で活動を続けるバリトン歌手、ヴィタリ・ユシュマノフ。なぜ日本に住んでいるかというと、2008年に初めて来日し、成田空港に降り立った際、「日本についての知識もありませんし、日本語も話せませんし。でも空気を感じただけで『ここに住みたい』と思ったのです」と話す。歌手になった経緯も人と少し違う。18歳まで音楽にはまったく興味がなかった。テレビでドミンゴとカレーラスのクリスマス・コンサートを見て、突然「歌手になりたい」と思ったのだという。「日本が好きすぎる、変なロシア人」ユシュマノフの話が楽しい。

このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

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