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MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
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■目次■
表紙 モーツァルト、ワーグナー、ストラヴィンスキー、カラス

特集
スキャンダル 音楽史事件簿

新作の初演での大騒動、検閲にひっかかり書き直し、権力者の怒りに触れて改作、革命家崩れで不倫を重ねる作曲家などなど、音楽界はさまざまなスキャンダルや事件にあふれている。
もっとも知られている新作初演の際のスキャンダルは、ストラヴィンスキーのバレエ「春の祭典」。この作品が1913年5月29日、パリのシャンゼリゼ劇場でバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)により初演された際、音楽は怒号や口笛でかき消され、下品なやじが飛び交い、ステッキで威嚇、女性が平手打ちで応酬するなど大混乱に陥った。警察官を動員しても騒ぎは収まらなかったという。音楽だけでなく、原始ロシアの異教徒が、春の訪れを願い神々に処女を捧げる「祭典」を描いており、ニジンスキーが振り付けたバレエも物議を醸した。
スキャンダラスな作曲家といえばワーグナーを筆頭にあげよう。ドレスデンの宮廷楽長に出世していたワーグナーは、こともあろうに、ロシアの革命家バクーニンと組んで、ドレスデン市民革命で指導的な役割を果たすことになった。しかし、プロイセン軍が介入し、革命を鎮圧。ワーグナーは間一髪で逮捕を免れ、スイス・チューリッヒに亡命する。
そこで、まずボルドーのワイン商人の夫人ジェシー・ロソーに手をだす。もちろんワーグナーにはミンナという妻がいる。この関係が破綻すると、今度は絹織物商人の妻マティルデ・ヴェーゼンドンクと恋愛関係になる。夫のヴェーゼンドンクはワーグナーのパトロンとして、家まで提供していたにもかかわらずだ。マティルデが書いた詩に作曲したのが「ヴェーゼンドンク歌曲集」。「トリスタンとイゾルデ」にも影響を与えたという。「逆境に陥っては、その都度信じがたいほどの強運によって救われていく。その強運は単なる偶然ではなく、芸術と人間の両面において類い希な吸引力があってこそだったことは確かだろう」と音楽評論家、吉田真氏は記している。
ショスタコーヴィチのオペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」は、1934年1月22日、レニングラードのマールイ劇場で初演された。その後2年間でレニングラードとモスクワで177回も舞台にかけられた大ヒット作。しかし、36年1月26日、スターリン、モロトフ、ジダーノフら共産党幹部が観劇。2日後の「プラウダ」に「調子の外れた理解不能な音の流れに、出だしから面食らわされる。これは人間の音楽ではなく、極左的な混沌だ」とめちゃくちゃに批判される。この記事はスターリンの指示によることは間違いない。スターリンの逆鱗に触れたショスタコーヴィチは「カテリーナ・イズマイロワ」として改訂せざるを得なかった。
他に、◎「椿姫」初演失敗の真相◎演奏不能とされた名曲◎お騒がせスター作曲家ベルリオーズ◎モーツァルト「レクイエム」の謎◎ナチス政権下における「退廃音楽」◎ザビーネ・マイヤー事件◎文化大革命と中国のピアニストたちの命運◎音楽界を騒がせたキャンセル魔たち、などです。

◎BIGが語る リッカルド・ムーティ 指揮 (下)
ムーティの「BIGが語る」はこれで最終回。前回は、イタリア・オペラのカット問題、楽譜を改変して歌う歌手などについて話した。今回は、これまでに出会ったリヒテルやカラヤンら偉大な音楽家、オーケストラとの関係などを語っている。指揮者コンクールを通ったばかりのムーティが、共演予定のリヒテルに呼ばれ、モーツァルトとブリテンのピアノ協奏曲のピアノ伴奏をさせられた。リヒテルはムーティを試したのだ。「私が弾いているとリヒテルが時々私を見るのが感じられました。弾き終わった時、彼は立ち上がって、通訳の人に『ピアノを弾くように指揮をするなら良い音楽家、良い指揮者です。受けましょう』と言ったのです」とムーティは当時の様子を話す。

◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 高関健 指揮
宮本文昭の後任として東京シティ・フィルの常任指揮者を受け継いで3年目になる。さらに3年、2021年3月まで契約が延長された。「ここ数年で組織としての意識も変わったと思います。おそらく宮本さんが助言をしてくださったことも実になってきていると思いますが、特別なことをしているつもりはありません。一生懸命に練習して、こうすればいいんじゃないかということをきちんと話し合って、ひとつひとつクリアしていくというだけのことです」と語る。

このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

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