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MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
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■目次■
ショスタコーヴィチ(1906‐75)は生涯に15曲の交響曲を残した。10代の思春期から亡くなるまで、その人生はすっぽりとソ連という国に重なる。今でこそ独裁国家の欺瞞性は明らかになっているが、ショスタコーヴィチが現役だった時代には、社会主義国家体制による圧制はなかなか伝わらなかった。
それでもショスタコーヴィチは亡命することなく、ソ連の中で生きることを甘受した。これについてドイツ文学の許光俊氏は「はっきりしているのは、ショスタコーヴィチの音楽の中には、社会や国家に対する愛憎矛盾した気持ちが表現されている」と記している。
ショスタコーヴィチとほぼ同じ時代をソ連で生きたのはグルジア(現ジョージア)生まれのハチャトリアン(1903‐78)。バレエ「ガイーヌ」の中の『剣の舞』、フィギュアスケートでよく使われる劇音楽「仮面舞踏会」の『ワルツ』は聴いたことがあるだろう。決して前衛に傾くことなく分かりやすく、エキゾチックで強烈なリズムなどが特徴の音楽を書いた。交響曲は3曲書いている。しかし、あまりにも体制寄りの作曲姿勢は現代では毀誉褒貶相半ばする。
8曲もの交響曲を書いたフィンランドの大シンフォニスト、シベリウス(1865‐1957)を忘れるわけにはいかない。祖国の民族叙事詩「カレワラ」に強く影響を受け、最初の交響曲「クレルヴォ交響曲」を作曲した。「トゥオネラの白鳥」が有名な交響詩集「レンミンカイネン組曲」も「カレワラ」による。音楽評論家の青澤唯夫氏は「シベリウスの音楽には、北欧の大自然の豊かな生命が力強く息づいている」という。
特集では各国のシンフォニストたちを扱っている。ロシア・ソ連のラフマニノフ、ヴァインベルク、ドイツのヒンデミット、フランスのオネゲルとミヨー、イギリスのエルガーとヴォーン・ウィリアムズ、そして日本の作曲家たち、山田耕作、團伊玖磨、芥川也寸志、黛敏郎、一柳慧などだ。項目はほかに◎プロコフィエフ、ボロディン、スクリャービン◎アイヴズやコープランド、バーンスタインらアメリカの交響曲◎ドビュッシーとラヴェルはなぜ交響曲を書かなかったのか◎北欧、中欧のシンフォニストたち◎ヴィラ=ロボスの12の交響曲◎制度としての交響曲、思想としての交響曲、など。表紙は、ショスタコーヴィチとクレムリン大宮殿、ソ連国旗です。

◎大阪国際室内楽コンクール&フェスタ
第10回大阪国際室内楽コンクール&フェスタが5月に行われる。カルテットやピアノ四重奏など室内楽のコンクールとして、回を重ねるごとに世界的に評価が高まっている。3月5日、大阪市内で記者会見が行われた。このコンクールを一層特徴づけているのはフェスタ部門。年齢制限や課題曲もなく、民族楽器のアンサンブルでもよい。しかも審査員は聴衆。今回もモンゴルの民族楽器のグループ、テンゲル・アヤルグーなどユニークなグループが出演する。また初めて一次ラウンドの公開審査が富山県高岡市と三重県津市で行われる。

◎宮本文昭の気軽に話そう
ゲスト 富田隆(心理学者)
宮本と富田氏は東京都港区立青山小学校の同級生。小学校時代は二人で漫才コンビを組み、クラスの誕生日会に〝レギュラー出演〟する人気者。オーボエ奏者と心理学者、道は違ったが、このほど二人が監修する『ゼロから分かる! 図解クラシック音楽』(世界文化社)を出版した。「人生後半になって対談したり本を書いたり、と共同作業をするのは楽しいものです。不思議な縁を感じます」と宮本は話した。

このほか
◎青島広志の「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

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