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MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
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特集 ピアノ音楽の巨峰 ショパンとベートーヴェン
“ピアノの詩人”と呼ばれたショパンが残した曲は、チェロ・ソナタなどを除きほとんどがピアノ作品で、しかも独奏曲でした。ショパンよりちょうど40歳上のベートーヴェンは、32曲のピアノ・ソナタをはじめ多くの傑作を書きましたが、交響曲やオペラなどすべてのジャンルに及んでいます。
40年というのはピアノにとってはとても大きな差になります。ベートーヴェンの時代は、ピアノの音域が広がり、打弦機構が改良されるなど日進月歩で進化していきました。「ベートーヴェンにとってピアノは、自身の創作の深まりと展開と密接に結びついていた」と音楽評論家の西原稔氏。ショパンの時代は違い、ピアノの開発競争はベートーヴェンのころより落ち着いてきました。ショパンはピアノの好みをこんなふうに語っています。「気分の良いときはプレイエル、良くないときはエラール」。プレイエルとエラールはフランスを代表するピアノ・メーカーですが、ショパンはプレイエルを好んでいました。「プレイエルは鍵盤は浅めで、繊細なコントロールを要求するが、よりダイレクトに奏者のタッチが音に反映される」と音楽フィシリテーターの飯田有抄氏。
ところで、新型コロナウイルスの感染拡大のため10月に開催予定だった第18回ショパン国際ピアノコンクールが1年延期になりました。ショパンの故郷ポーランドのワルシャワで5年に1度開かれるこのコンクールは、ショパンの作品だけが課題曲になっています。ピアノコンクールの世界最高峰で、現在活躍している世界のトップクラスのピアニストを輩出しています。第6回(1960年)で優勝したのがポリーニ、第7回がアルゲリッチ。第9回はポーランド人としては20年ぶりにツィメルマンが頂点に立ちました。日本人では第8回に内田光子が2位に入り、第11回で小山実稚恵が4位入賞しています。
かつては、ピアニストは「ベートーヴェン弾き」と「ショパン弾き」と分けてとらえられていました。ピアニスト本人が得意とした作曲家が分かれていたのです。テクニックを駆使しエネルギッシュに、構築的で長いベートーヴェンのピアノ・ソナタと、サロンで軽やかに親密にしかし短い曲の中に感情が込められたショパンの作品とは、もちろん演奏法が異なります。
音楽評論家の真嶋雄大氏が取り上げたのは、ベートーヴェン弾きは、バックハウス、シュナーベル、フィッシャー、アラウ、ケンプです。現役でしたら、レーゼル、ブッフビンダーらがあがっていました。ショパン弾きは、コルトー、ルービンシュタイン、リパッテォ、フランソワらで、現在でもCDで親しまれています。若手ではブレハッチ。現代のピアニストは彼らに比べると器用になり、両方ともこなします。ポリーニやキーシン、ペライアやピリスらがそうです。来年行われるショパン・コンクールでまた新たなスターが生まれるでしょう。
他に、◎ショパンの練習曲集、24の前奏曲集、バラード、夜想曲、ワルツ、即興曲、ピアノ協奏曲、他◎ベートーヴェンとショパンのピアノへの眼差し◎故郷喪失者ショパン◎ポロネーズとマズルカ、などです。
表紙は、ショパンとノアンにあるサンドの屋敷です。

◎コロナとの日々、そして未来
新型コロナウイルスの感染防止のためコンサートが自粛されるようになって約3カ月。さまざまなアーティスト19人に①どんなふうに日常を過ごしていますか②コロナが収束したら何をしたいですか、と聞きました。「歌を始めたころや留学時代を思い出しながら過ごしています」(ソプラノ、天羽明惠)、「やっぱり室内楽を弾きたい。気の置けない音楽仲間と、自由に音楽で会話を楽しみたい」(チェロ、長谷川陽子)などの答えが返ってきました。

◎私の夢のコンサート
音楽評論家5人に、ぜひ行って見たかった過去のコンサートとその理由を寄稿してもらった。1910年代のカペー四重奏団(喜多尾道冬)、1803年のベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」世界初演(渡辺和彦)、1904年のプッチーニ「蝶々夫人」世界初演(石戸谷結子)などです。

◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 小原孝 ピアノ・作曲・作詞
NHK-FM「弾き語りフォーユー」のパーソナリティでおなじみの小原孝。同番組は22年になり、今年デビュー30周年を迎えました。中学から国立音大付属に通い、大学院を卒業しています。「理解ある先生に恵まれました」と話します。卒業してすぐ、安田祥子、由紀さおり姉妹の行っていた「童謡コンサート」の仕事をして、30歳でソロ・デビュー。演奏活動以外には、ピアノの先生向けのレッスンや講座を行っています。「マイペースでのんびりとやっていこうと思っています」

このほか
◎青島広志の「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

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