MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)290目次-バックナンバー

TOP > MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック) > バックナンバー一覧 > 290

MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
290
在庫あり
¥1080
[ 購入する ]


■目次■
19世紀末から20世紀初頭の同時代を生きたマーラーとリヒャルト・シュトラウス。19世紀初めのベートーヴェンの時代とは比較にならぬほど交通そして情報は発達し、マーラーとシュトラウスは、たびたび会い、時には協力もするライバルだった。そしてそこにはマーラーの妻アルマとシュトラウスの妻パウリーネの存在が欠かせない。
マーラーは1860年、ボヘミアの小さな町のユダヤ人家庭に生まれた。父親は荷馬車で行商を行い、酒類製造業で成功した。父親は教育熱心で、マーラーの音楽的才能を見抜いて、15歳でウィーンに出した。一方、シュトラウスは1864年、ミュンヘン生まれ。父親はミュンヘン宮廷歌劇場の首席ホルン奏者。母親はミュヘンのビール醸造会社の娘で、早くから父親に英才教育を受けている。
音楽評論家の江藤光紀氏は「出自も育ちもまったく対照的で、作曲の方向性も異なっている2人が互いを理解するのには限度があった」と書く。マーラーは「シュトラウスと自分は同じ山の反対側から坑道を掘っていて、やがて出会うことになるだろう」と語っていた。
マーラーは生前、作曲家より指揮者として著名だった。実際、指揮者としての出世は早かった。ウィーン楽友協会音楽院で学び、ピアノ部門と作曲部門いずれも1等賞を受賞。23歳でカッセル王立劇場の楽長(カペルマイスター)に就任、プラハやブダペスト、ハンブルクなどの劇場の楽長などを経て1897年、ウィーン宮廷歌劇場の芸術監督に上り詰めた。
シュトラウスは、ハンス・フォン・ビューローのアシスタントとして指揮法を学んだ。ビューローは今日の職業的指揮者の先駆者。そしてビューローの後を継いでミュンヘンの宮廷歌劇場の指揮者に収まった。
作曲作品のジャンルも2人は大きく異なっている。マーラーは歌劇場を渡り歩いたのに残されたオペラはない。指揮者としての仕事が忙しく、夏の休暇のときしか作曲の時間がとれなかった。それでも長大な交響曲を9曲残した。第10番は未完。時間の長さもさることながら、編成も大きく、声楽が使われた曲が多い。また、通常のオーケストラにはないカウベル、鞭、チェレスタ、マンドリン、鉄琴や木琴など特殊な楽器を入れている。
シュトラウスは、交響詩をたくさん書き、オペラ作曲家としても大成功した。よく知られている交響詩は、映画「2001年宇宙の旅」の舞踏で使われた「ツァラトゥストラはかく語りき」。「英雄の生涯」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」などがある。オペラ「サロメ」はオスカー・ワイルドの原作で、「7つのヴェールの踊り」などエロティックな場面はセンセーションを巻き起こした。今日でも大人気なのは「ばらの騎士」。ドレスデン宮廷歌劇場で初演されたが、あまりの人気にベルリンからドレスデンまでオペラを鑑賞するための「ばらの騎士特別列車」号が走ったほど。項目はほかに◎マーラー「大地の歌」と東洋趣味◎マーラーが語る妻アルマ◎シュトラウスの管弦楽の魅力と個性◎スイトラウスが語る妻パウリーネ◎マーラーとシュトラウスの指揮者◎自己愛の人たち、など。表紙マーラーとリヒャルト・シュトラウス、背景は2人の創作に非常に大きな影響を与えたヨーロピアン・アルプスの自然(マッターホルン)です。

◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 川口成彦 フォルテピアノ
2018年の第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで2位に入賞し、一躍注目を集めた川口成彦。10代のころにはラフマニノフやリストなど派手な曲にあこがれていたという。20歳になって「古典派の音楽を弾けずしてピアニストになりたい、なんて言っていられないな」と迷っているときに出合ったのがフォルテピアノ。「ハイドンのピアノ曲をハイドン時代のピアノで弾いたときに、すごく感動したというか、目からうろこが落ちたんですね」と話す。

◎ステージ カイヤ・サーリアホ 作曲
フィンランドの女流作曲家、カイヤ・サーリアホのオペラ「Only the Sound Remains-余韻―」が6月6日(日)、東京文化会館で日本初演される。日本の能「経正(つねまさ)」と「羽衣」を題材に用いた。新たな演出で振付家、森山開次を起用した。「能は昔から好きで、日本でも何度か見ています。とてもシンプルなストーリーで非常に象徴的な現象から、音楽が入り込む余地が十分にあると私は考えました。2つの能を選んだのは、同じ物語性を持ちながら、とても対照的だからです。片方は暗くミステリアス、片方は軽やかでおとぎ話のような要素を持っています」と話す。

このほか
◎青島広志の「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
290
在庫あり
¥1080
[ 購入する ]


MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
バックナンバー一覧
▲ページTOP▲


友達に教える

お問合わせ

TOPへ

(C)2024雑誌通販のWEB雑誌屋ドットコム