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MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
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ベートーヴェンは交響曲を9曲残した。このうち交響曲第5番と第6番は1808年12月22日、アン・デア・ウィーン劇場で同時に初演された。現在の5番は6番、6番は5番として発表されている。新作の交響曲2曲を一緒に演奏するばかりか、この日のプログラムは現在では考えられないほど長い。
まず第1部は、田園交響曲(当時の第5番、現在の第6番)、アリア「ああ、裏切り者」、ミサ曲ハ長調より「グローリア」、ピアノ協奏曲第4番。第2部は、大交響曲(当時の第6番、現在の第5番)、ミサ曲ハ長調より「サンクトゥス」、ベートーヴェンのピアノの即興演奏、合唱幻想曲で、今のコンサート2つ分。それぞれのトリはピアノ協奏曲とピアノ独奏が入る合唱幻想曲。現在はプログラムの最後に置かれる交響曲はメーンの演目ではなかった。
特集では「フルトヴェングラーとベートーヴェン」について取り上げている。フルトヴェングラーにとってベートーヴェンはもっとも重要な作曲家だった。フルトヴェングラーは1886年、考古学者・美術史家の父アドルフのもとに生まれた。1898年、ギムナジウムを退学し、2人の家庭教師に学んだ。哲学と芸術はヴァルター・リーツラー、考古学者のルートヴィヒ・クルティウス。音楽の専門教育はベルリン国立歌劇場首席指揮者を務めたマックス・フォン・シリングらに師事している。1922年、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ベルリン・フィルの常任指揮者に就任した。
音楽評論家の岡本稔氏は「フルトヴェングラーの演奏について語るとき、『精神性』とともにしばしば用いられるのが『官能性』とそこからもたらされる『陶酔』である。ベートーヴェンの演奏でも顕著にみられる。音楽がもたらす陶酔感がクライマックスで圧倒的な効果をもたらすのはこの音楽家に親しんだ人ならば誰もが経験している」とつづっている。
1951年7月29日、中止されていたバイロイト音楽祭が、フルトヴェングラーの指揮する第九によって再開した。この「バイロイトの第九」の録音はEMIなどから発売されているが、リハーサル演奏などを編集したものではないか、などの謎が語られてきた。今年12月、スウェーデン放送が所有するライヴ音源が初めてCD化され、リリースされる。長年、悩ませてきた謎が解けると、ファンは発売を待ちわびている。項目はほかに◎交響曲第1番以前と第9番以降◎「オリーヴ山上のキリスト」と「プロメテウスの創造物」◎ベートーヴェン交響曲全集の歴史◎朝比奈隆のベートーヴェン演奏◎日本人ピアニストのベートーヴェン演奏、など。表紙は、フーゴー・ハーゲン作のベートーヴェンの胸像です。

◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 成田達輝 ヴァイオリン
ロン=ティボー国際コンクールやエリザベート王妃国際音楽コンクールなどで入賞した若手ヴァイオリニストの成田達輝。母親が小学校の教師をしており、当時最先端の英才教育に興味があり、ヴァイオリンを始めた。最近、子供がうまれ、「音楽というのは人生そのものなんじゃないかということです。友人から『子供を通して自分の小さいころを追体験している』と言われ、『それって人生の再現部に来ているってことかな』と思いました」と話している。

◎第18回ショパン国際ピアノ・コンクール視聴録
第18回ショパン国際ピアノ・コンクールが10月、ショパンの故郷ポーランドの首都ワルシャワで行われた。コロナ禍のため1年延期されての実施だった。今回も日本人の参加者は多く、3次予選に5人、本選に2人残った。通常、本選は6,7人で争われるが、今回は12人と多く、異例のコンクールになった。結果は反田恭平が2位、小林愛実が4位(いずれも2人入賞のうちの1人)だった。音楽評論家の高久暁氏がレポートをしている。「独自な展開を見せる日本のピアノ文化の受け皿としてショパン・コンクールが機能したのであれば、それはショパン・コンクールと日本のピアノ文化の双方にとって極めて喜ばしい出来事であったに違いない」と記した。

このほか
◎青島広志の「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

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