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MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
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イタリア・オペラの代名詞、ヴェルディとプッチーニの生涯と作品などを中心にイタリア・オペラの魅力を探っている。
ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)は「音楽とドラマが人間の感情表現において一体化する方向に、オペラのベクトルを向けた」とオペラ評論家の香原斗志氏。生涯にオペラ26作を作曲した。処女作は「ファッチォ伯爵オベルト」(1839年)。3作目の「ナブッコ」(1842)で成功を収める。
ヴェルディ中期には多くの傑作が生まれた。「リゴレット」(1851)は「足を踏み入れた『心理オペラ』の世界で、いまだなかった次元の心理描写を達成した」と音楽評論家、國土潤一氏。「椿姫(ラ・トラヴィアータ)」(1853)は、高級娼婦ヴィオレッタと青年貴族アルフレードの恋、そしてヴィオレッタの悲劇を描く。世界でもっともよく上演されるオペラの一つだ。1幕でアルフレートが歌いだし、後に合唱となる「乾杯の歌」、2幕でアルフレートの父ジェルモンが息子を諭す「プロヴァンスの海と陸」など、単独で親しまれているアリアも人気。後期の「アイーダ」(1871年)は古代エジプトが舞台。スペクタクルで祝祭的な雰囲気があり、野外オペラでもよく上演される。エジプトとエチオピアの2つの国に引き裂かれた男女の悲恋を描いている。
ジャコモ・プッチーニ(1858-1924)は音楽家の家系に生まれた。父は5歳のときに亡くなり、苦労してミラノ音楽院で学んだ。「マノン・レスコー」(1893)が大成功し、オペラ作曲家の道を確実とした。日本人にもっともなじみの深いのは「蝶々夫人」(1904)だろう。長崎を舞台に、没落士族の娘・蝶々さんとアメリカの海軍士官ピンカートンの結婚、そして蝶々さんの悲劇を描く。プッチーニの音楽の中に「越後獅子」「さくらさくら」「君が代」「お江戸日本橋」など日本の音楽が8曲も使われている。プッチーニは日本に来たことはなく、当時のイタリア特命全権公使夫人、大山久子から資料を提供されたらしい。
最後のオペラとなった「トゥーランドット」(1926)は中国が舞台。やはり中国の音楽素材を使っている。トゥーランドット姫に求婚する者は、姫の出す3つの謎を解かなければならない。解けなければ斬首されてしまう。王子カラフがその謎に挑戦する。カラフの歌う「誰も寝てはならぬ」が有名だ。第3幕後半は未完に終わり、アルファーノが補筆し完成させた。「トゥーランドット」を含めプッチーニは生涯に12作品を残した。項目はほかに◎ロッシーニ◎ショパンが愛したベッリーニ◎ヴェリズモ・オペラ◎イタリア、魅惑の劇場めぐり◎イタリア・オペラの旬の歌手、などです。表紙は、ヴェルディ、プッチーニ、背景はミラノ・スカラ座です。

◎2021年回顧ベスト・コンサート編、ベストCD&DVD編
ベスト・コンサート編だが、今年は外国のオーケストラがコロナのための入国規制でほとんど来日できず、指揮者だけ外国人というのが多い。ヴェンツァーゴ指揮読売日響、チョン・ミョンフン指揮東京フィル、ミンコフスキ指揮オーケストラ・アンサンブル金沢、ラザレフ指揮日本フィルなどが挙がっている。ソリストはファウスト、アンデルジェフスキー、レーゼル、ツィメルマンら。新国立劇場の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は高評価だった。
ベストCD&DVD編だが、コロナ禍の中でも収穫の多い年だった。輸入盤を含めると膨大な数になるため、12人の評者が重なってベストCDに挙げたものはほとんどない。その中でシフがエイジ・オブ・エンライトゥメント管を弾き振りしたブラームスのピアノ協奏曲第1番&第2番、ショパン・コンクール4位の小林愛実のショパン「24の前奏曲」はそれぞれ2人があげていた。また、クレンペラーなど過去の録音も目立った。
また、今年亡くなった主な音楽家を掲載している。昨年暮れからの1年間を見ると、イヴリー・ギトリス(98歳)、岡村喬生(89歳)、ヘルムート・ヴィンシャーマン(100歳)、辻久子(95歳)、伊藤京子(94歳)などと高齢化社会を反映してか長寿をまっとうした方が目立った。

◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 嘉屋翔太 ピアノ
11月に行われたフランツ・リスト国際ピアノ・コンクールで1位なしの2位に入賞したピアニスト、嘉屋翔太は東京音楽大学に在学中。ラフマニノフについて「バッハみたいな対位法の達人なので、奇跡的なくらい全部の音に意味があって装飾がないんです。本当に緻密そのものなので、指が足りないんじゃないかっていうくらい書いてあって別格なんです」と話している。

このほか
◎青島広志の「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

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