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MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
299
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オルガンの歴史は紀元前の古代ギリシャにさかのぼる。鍵盤楽器としては最も古い歴史を持つ。水圧を用いて空気を管に送り込んだ。その後のチェンバロやピアノとは音が鳴る仕組みが全く違う。さらにオルガンは中世に入ってキリスト教会と結びつき「楽器の王様」となった。
オルガンはふいごで風箱に空気を送り込み、鍵盤を押すことで弁が開き、パイプが発音する。チェンバロやピアノの音は自然に減衰していくが、オルガンは弁を戻さない限り、音は持続する。そして演奏者は音によって決まっているパイプを選択するためストップを引っ張るレジストレーションを行う。
大きなパイプオルガンは持ち運びができない。設置される教会や建物の形状に合わせて作られる。「1台として同じものがないのもオルガンの大きな特徴だ。オルガンは建物に付随する特殊な楽器である。ヨーロッパに現存する18世紀以前のオルガンを弾く場合には、ピッチや調律法が違うこともよくあること」とオルガニストの中田恵子。
チェンバロは弦を弾いて音を出す楽器。14世紀末に誕生したと考えられている。それから18世紀後半にかけてヨーロッパ全体で使われた。しかし、国によって独特の形状であり材質が異なっている。1段鍵盤のイタリアンや2段鍵盤のフレミッシュ、イタリアでは糸杉が用いられ、フレミッシュではポプラの木が使われた。また華麗な絵や装飾がつけられ、美術品としての側面もあった。
バロック音楽において不可欠な存在なのが通奏低音奏者。「独唱を支えるバスの旋律を記し、それを低音楽器(主にヴィオラ・ダ・ガンバ)が弾き、それをもとに鍵盤楽器(主にチェンバロ)などが即興で肉づけの伴奏を施す」と音楽学の金澤正剛氏。やがて伴奏の中心的役割を果たしていたチェンバロ奏者が指揮をとるようになった。チェンバロが中心に置かれ、周りを弦楽器などが取り囲む。モーツァルトもオペラ上演の際には、自らチェンバロを弾きながら指揮をした。
モーツァルトの時代に鍵盤楽器はチェンバロからフォルテピアノへと変わっていった。モーツァルトより14年後の1770年に生まれたベートーヴェンは、生涯で約10種ものフォルテピアノを弾いたという。19世紀はピアノの開発競争が盛んに行われた時代だった。ベートーヴェンのピアノ・ソナタは32曲残されているが、その作曲史はピアノの発展史そのものだった。
初期のピアノ・ソナタ第8番「悲愴」や第14番「月光」はアントン・ワルターの楽器で作曲された。中期の第21番「ヴァルトシュタイン」や第23番「熱情」はエラールの楽器に触発されて書かれた。そして第26番「告別」はシュトライヒャーのピアノから生まれた。ベートーヴェンが最後まで弾いていたのはイギリスのブロードウッドから1818年に贈られたフォルテピアノ。第29番「ワルトシュタイン」はシュトライヒャーとブロードウッドがあったからこそ作曲された傑作だ。項目は他に◎バッハのオルガン曲、チェンバロ曲◎バッハのオルガン曲のピアノ編曲小史◎ブルックナーの交響曲はなぜオルガンのような響きなのか◎チェンバロとオルガン音楽の20世紀◎ピアノと指揮者、など。表紙は、タスカンのチェンバロ、ヒルデブラントのオルガン、ショパンのピアノです。

◎宮本文昭の気軽に話そう 佐藤卓史 ピアノ
2014年からシューベルトのピアノ曲全曲ツィクルスに取り組んでいるピアニスト、佐藤卓史。07年にはシューベルト国際コンクールで優勝している。シューベルトの魅力について「シューベルトは自分にとって特別な存在なんだと感じることがたくさんありました。同じことが繰り返されるので冗長だと言われたりしますが、彼の中にある種の必然性があるのを感じます」と話す。4月14日(木)に東京オペラシティで第16回シューベルトツィクルスの演奏会が行われる。

◎STAGE 野平一郎 作曲・ピアノ
5月から6月にかけて開催される第8回仙台国際音楽コンクールのピアノ部門審査委員長を務めるのが、作曲家でピアニストの野平一郎。今回のコンクール・ピアノ部門には史上最高の438人の申し込みがあった。ちなみに昨年のショパン国際ピアノ・コンクールで優勝したブルース・リウは2016年の仙台国際音楽コンクールの入賞者だ。野平委員長は「イマジネーション、ポテンシャルを持った人、クリエイティヴな資質を持った人を探していきたい。審査委員を驚かす人が出てきてほしい」と話していた。

このほか
◎青島広志の「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

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