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MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
300
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■目次■
イタリア北部クレモナで17世紀半ばから18世紀半ばにかけて作られたヴァイオリンは、名器が多い。ニコロ・アマティ、アントニオ・ストラディヴァリ、グァルネリ・デル・ジェズの3人の名工が作ったヴァイオリンは現在、非常に高い値段で取引される。彼らに続くヴァイオリンにガダニーニ、ベルゴンツィ、テストーレなどがある。さらに、カッパ、ブセットー、ゴフリラー、モンタニャーナ、ランドルフィー、ガリアーノ、チェルーティ、プレセンダなどのブランドがひしめいている。
なぜクレモナで作られたヴァイオリンは名器なのか。形状、木材、ニスなどさまざまな理由があげられているが、いずれも決め手に欠ける。製造されて400年経つとよい音になる、という説もある。現代の科学的分析によっても分からない。「これは永遠の謎である。理由を断定的に書き記す文章があれば、それはフェイクと考えてよい」と音楽評論家の渡辺和彦氏。
現在のオーケストラで使われる弦楽器は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの4種類。しかし、クレモナでヴァイオリン製作が盛んになる以前のバロック時代は、もっと多種多様な弦楽器が存在した。その一つがリュート。イングランドの女王エリザベス1世は音楽好きで、みずからリュートを弾いたといわれる。リュートはL字型のネックを持つが、その隣にまっすぐなネックを付けた大型リュート、テオルボがあり、ネック1本のキタローネも存在した。スペインでは小型のギターと言ってもよい、ビウエラが流行した。
ヴィオール族では、脚(ガンバ)に挟んで弾く、ヴィオラ・ダ・ガンバがあり、バス・ヴィオル、トレブル・ヴィオル、テノール・ヴィオルなどと音域によって楽器があり、より低音のヴィオローネ、音域が広いヴィオラ・パスタルダという楽器もあった。ヴィオリンは中世のフィドルから発展したものと言われる。15世紀に流行したのはリラ・ダ・ブラッチョ。この楽器を得意としたのは画家のレオナルド・ダ・ヴィンチ。彼は音楽家の顔も持っていた。長く生き残った楽器にヴィオラ・ダモーレがある。ヴィヴァルディ、バッハばかりか、マイアーベアやプッチーニ、ヒンデミットらロマン派、20世紀の作曲家もこの楽器を使って作品を書いている。
バロック時代に多種多様な弦楽器が存在することについて、音楽学の金澤正剛氏は「バロックという時代自体がさまざまと新しい可能性を追い求めた時代であったことと、多くの楽器が発展途上の段階であったことに由来しているものと思われる」と記している。
現在に至るヴァイオリニストは、トスカナ派、ロンバルディア=ベネツィア派、フランコ・ベルギー派(マンハイム派)、ボヘミア派の大きく4つの流派に大別される。トスカナ派にはパブロ・デ・サラサーテ、ロンバルディア=ベネツィア派はアルカンジェロ・コレッリらを経てヨーゼフ・ヨアヒム、ヤッシャ・ハイフェッツ、現在のヴァディム・レーピン、樫本大進につながる。フランコ・ベルギー派は、ウジューヌ・イザイとその弟子のユーディ・メニューイン、アイザック・スターン、アルチュール・グリュミオーらがいる。項目は他に◎ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集「四季」◎バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」「無伴奏チェロ組曲」◎ヴィオラという楽器の特殊性◎活躍する日本の若手チェリストたち◎オーケストラにおける楽器の配置と変遷◎弦楽器と指揮者、など。表紙は、パガニーニが愛用したデル・ジェズ「イル・カンノーネ(大砲)」、スタラヂヴァリウス「レディー・ブラント」、クレモナの街です。

◎宮本文昭の気軽に話そう 中野翔太(p)
クラシックのピアニストだが、5月27日(金)にHakuju Hallでジャズ・ピアニストの松永貴志とサクソフォンの田中拓也のトリオでコンサートを行う。ニューヨークのジュリアード音楽院に留学しているときに、老舗ジャズクラブ「ヴィレッジヴァンガード」で生まれて初めて生のジャズを聴いた。「今ここで音楽が生れてきたような空気感、自分でもやってみたいと思っていました」。一方、神奈川県立音楽堂の「新しい視点」シリーズでは、7月に実験的な現代音楽を演奏するなど、意欲的な活動を続けている。

◎東西南北 新国立劇場2022/23シーズンのラインアップ
新国立劇場は3月1日、2022/23シーズンのラインアップを発表した。同劇場は今年、開場25周年を迎え、オペラ3公演、バレエと演劇各1公演の5公演が開場25周年記念公演になる。オペラのラインアップは10演目。「ジュリオ・チェーザレ」(新制作)、「ボリス・ゴドゥノフ」(新制作、開場25周年記念)、「ドン・ジョヴァンニ」、「タイホイザー」、「ファルスタッフ」、「ホフマン物語」、「アイーダ」(開場25周年記念)、「リゴレット」(新制作)、「サロメ」、「ラ・ボエーム」(開場25周年記念)。

このほか
◎青島広志の「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

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