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MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
304
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フランス音楽は、ドイツやイタリアの音楽とは異なる魅力を持っている。
「フランス音楽を、イタリア音楽に匹敵するもう一方の音楽、と呼んでも決して間違いではないでしょう。なぜなら、この2つ、イタリアと フランスの音楽はそれぞれに独自の、独特のものを持っているように思われるからです」
この言葉はドイツの音楽家マッテゾンが1713年に残したもの。フランス・バロック時代においてフランス音楽の個性は際立っていた。「実のところ、ドイツ・バロックの作曲家たちは常にイタリアとフランスから最先端の音楽を学び、それをスタート地点にして自分のたちの音楽を作ってきた」と音楽学の佐藤康太氏は記している。
近代フランス音楽を特徴づける作曲家といえばフォーレ、ドビュッシー、ラヴェル。「サン=サーンスがドイツ音楽をわき目に見て、ソナタ形式の作品構成や動機の展開を模範としていったのに対して、彼らはそのくびきから解放されている」と指摘するのは桐朋学園大名誉教授の西原稔氏。
クロード・ドビュッシー(1862~1918)は陶器店を営む庶民の家に生まれた。しかし、伯母のおかげでピアノを習い、パリ・コミューンの蜂起に加わった父が捕らえられ、牢獄で名ピアノ教師の息子と知り合ったことで、その母親にピアノを師事。才能を発揮し、パリ国立高等音楽院に入学した。1884年にはローマ賞を受賞する。
代表作品の一つ、「牧神の午後への前奏曲」(1892年)は象徴派の詩人マラルメの詩にもとづく作品。「ドビュッシーは、まったく自然に移ろいゆく変化の相としてこの詩を音楽化した。奔放かつ緻密な和声法を駆使し、色彩的で感覚的な美しさを前面に出し、すべてが夢かうつつか分からない状態を作り上げたのだ」と音楽評論家の鈴木淳史氏。
モーリス・ラヴェル(1875~1937)の父親はピアニストを目指したこともある技師。母親はバスク地方の生まれ。ラヴェルは生後3カ月でパリに移ったが、生涯バスク地方への思いを寄せている。14歳でパリ国立高等音楽院に入学。在学中に「亡き王女のためのパヴァーヌ」などを発表、注目された。
ラヴェルとドビュッシーの作風は全く違う。「ラヴェルの音楽にはつねに『現在』という立ち位置が刻印されている」と鈴木氏。「ラ・ヴァルス」については「リズムがどんどん崩れ始め、頻繁な転調の中でテンポも乱れてくる。最後はワルツらしき怪物は暴走を始め、断ち切られるように終わる。現在のグロテスクな姿を強調することで、美しかった過去を偲ぶ」と解説する。項目はほかに◎ベルリオーズ、フランス・ロマン主義の精神そのもの◎フランス6人組◎サティ、異端の音楽家なのか◎エンマ・バルダックをめぐるフォーレ、ドビュッシー、ラヴェル◎ディアギレフとパリ、など。表紙は、ヴェルサイユ宮殿です。

◎宮本文昭の気軽に話そう 福川伸陽 ホルン
NHK交響楽団のホルン首席奏者を務め、現在はフリーで活躍する福川伸陽(のぶあき)。ヴァイオリニスト、宮本笑里のデビュー15周年のアルバムでホルストの「木星」の収録に参加。古楽器のアンサンブル「レ・ヴァン・ロマンティーク・トウキョウ」のメンバーでモーツァルトやベートーヴェンの木管八重奏曲が入ったCDも今月リリース。10月にはヘンデルの「王宮の花火」を当時の楽器と編成で演奏する。「来年以降は、隅田川に船を浮かべて、『水上の音楽』ができたらいいなとみなで話しています」と福川は話している。

◎BIGが語る サー・サイモン・ラトル 指揮
サイモン・ラトルが音楽監督を務めるロンドン交響楽団と9月から10月にかけて日本ツアーを行う。ラトルは来シーズンからバイエルン放送交響楽団の首席指揮者になるため、ロンドン響の音楽監督としては最後の来日。東京や札幌、川崎など8都市の公演で5つのプログラムを持ってくる。「今回は非常に幅のあるプログラムを持っていくことができてうれしく思っています。ツアーを行うときのプログラムつくりというのは本当にパズルのようなものです」とラトルは話す。東京公演では10月5日にブルックナーの交響曲第7番などを、6日にはシベリウスの交響曲第7番などを演奏する。

このほか
◎青島広志の「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして70年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎中丸美繪「鍵盤の血脈 井口基成」
など、おもしろい連載、記事が満載です。

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