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小説すばる
2023年11月号
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■目次■
第47回すばる文学賞受賞作は大田ステファニー歓人「みどりいせき」。選考委員に驚きをもって迎えられた新時代の青春ピカレスクロマン!
新連載は吉見俊哉さんの「続・東京裏返し」、井上ひさしさん吉里吉里忌からは鼎談(金平茂紀×吉岡忍×小森陽一)と講演(小泉今日子)を載録します。
【第47回すばる文学賞受賞作】
大田ステファニー歓人「みどりいせき」
桜舞う日、校舎の屋上でぼんやりしていた不登校ぎみの高校生・翠は、突然下から聞こえたクラクションに覚醒する。校門近くには軽トラを睨みつけている、真っ青なペニーを持った生徒。あれ? 見覚えがある……。
第47回すばる文学賞の選考経過と、選考委員(奥泉光、金原ひとみ、川上未映子、岸本佐知子、堀江敏幸)による選評、受賞者インタビューを掲載します。
【新連載】
吉見俊哉「続・東京裏返し 都心南部編――川筋と軍都をたどる社会学的街歩き」
街歩きを通して都市の歴史と未来を掘り起こす人気連載、待望の続編がスタート。赤坂、六本木、芝、青山などを巡る都心南部編の初回では、川筋から「渋谷」を裏返す――。
【講演】
片岡大右「「anarchic romanticism of youth」のあとで――小山田圭吾という芸術家の「炎上」をめぐる考察」
東京五輪直前に起きた大炎上。小山田氏の側に反省すべき点はあるが、「インフォデミック」を起こした側に問題はなかったか? ロマン主義、大江健三郎作品にも論を広げ問い直す。
【第三十八回詩歌文学館賞贈賞式記念講演】
高橋睦郎「老いること 書きつづけること――later-life crisisを超えて」
3年前の82歳の誕生日に初めて老いを自覚した詩人。中年の危機より遥かに難しい“晩年の危機”を経て、改めて詩作とその源について語る。
【文芸漫談】
奥泉光×いとうせいこう「ウィリアム・フォークナー『八月の光』を読む」
アメリカ南部の架空の地を舞台に作品を生み続けた作家・フォークナー。原文の時制、語りの揺らぎに着目し、モダニズム文学としての特色を押さえながら、大著『八月の光』を繙く。
【第9回吉里吉里忌】
「井上ひさしの言葉――ふるさと 山形 川西で語り継ぐ」
毎年井上氏の命日の季節に催される吉里吉里忌。この春には共に同時代を生きた大江健三郎氏も亡くなりウクライナ戦争は二年目を迎えた。大きく深い視座からくりだされた井上氏の言葉を今再び噛みしめる。
鼎談/金平茂紀×吉岡忍×小森陽一「井上ひさしとジャーナリズム」
井上氏がいつも問うていた「歴史の主人公は誰なのか」ということ。生前、井上氏と親交の深かった三人が、それぞれの経験と今の時代にこそ先を明るく照らす井上氏の言葉と思想について語る。
講演/小泉今日子「井上ひさしさんと私」
生前会うことは叶わなかったが、幼いころには絵本『ひょっこりひょうたん島』を愛読し、アニメを通じて歌詞の言葉に親しんできた。演劇作品の主演を務めたこともある小泉氏が今、若い世代に伝えたい井上さんの言葉とは。
【第48回すばる文学賞】
みずみずしく意欲的な力作・秀作をお待ちしています。!
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