こどものとも年少版

こどものとも年少版

▼最新号目次▼

■インフォメーション■
絵本に興味をもちはじめる2才から4才の子どもに最適の月刊絵本です。子どもの成長と興味にそって、やさしいお話、乗り物、食べ物、生活をテーマにした絵本、ナンセンスなお話など、さまざまな内容を組んでいます。選び抜かれたことばと、質の高い絵は、子どもの心をより広い世界へ連れていきます。
[出版社]福音館書店
[発刊日]2026/11/02
[発売日]毎月3日
■定期購読
[期間]月額払い
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[期間]1年
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■最新号目次■
おちゃのじかん
河井いづみ 作

■内容のご紹介
ポットから流れたお茶が、川になって、リボンになって、りんごになって、階段になって……。縦開きの迫力のある画面で、上から下へと流れるお茶が、いろいろなものに変化していくさまを遊び心いっぱいに描きます。よく見ると、流れに乗った小さなサーファーの姿も! めくるめく不思議な世界を美しい絵で描いた絵本です。

■編集部より
ポットから流れたお茶が、川になって、リボンになって、りんごになって……。美しい絵で描かれるモチーフは身近なものばかり。次は何になるのだろうとワクワクしますね。りんごの皮が階段になり、猫のしっぽになる、そのつなぎ目まで見事に表現されていて、ずっと続いていく「流れ」を感じさせます。よく見ると、流れに乗った小さなサーファーの姿も!

ページをめくるたびに変化していく、めくるめく不思議な世界を、どうぞ心躍らせてお楽しみください。

●作者のことば
それぞれの時間と見方で
河井いづみ

絵描きになる、と決めたのは小学五年生のときでした。

私は幼いころから空想好きで、起きている時間の半分以上は空想の中で遊んでいました。小学校に入っても変わらず、授業中に筆箱へ目をやると、すぐに物語が始まります。鉛筆たちが筆箱の家で暮らし、消しゴムを枕にくつろいだり、飽きると冒険へ出かけていく。机は小さな島で、周りは海。隣の島へはどう渡ろうか、などと考えます。もちろん先生の話は耳に入りません。周囲から見れば、ぼんやりして勉強もしない子だったので、母はとても心配していました。

五年生になっても、図書室で絵本をくり返し読んでいました。でもそのころ、「私はほかの人と少し違うのかもしれない」と思い始めます。空想ばかりしていて、子どもの絵本も大好きなまま。こんな調子でちゃんと大人になれるのかな、と。

図書室から教室へ戻る階段を上っていたある日、さっきまで読んでいた絵本の世界と現実を行き来しながら、ふと思いました。「あんなふうな、心が広がる絵本を、描く人になればいいんじゃないの」。

そう決めたら早かった。美術科のある高校へ進み、東京で学び、フランスへ留学し、絵描きになりました。高校のデッサンの授業で将来やりたいことを聞かれた私は、「変な絵本を描きたいです」と答えました。

おかげさまで、このたび「変な絵本」を作ることができました。お茶がカップに注がれる、一瞬のような、長い旅のような時間を描きました。みなさんそれぞれの時間と見方で、楽しんでもらえたらうれしいです。

■著者情報
河井いづみ
1980年、長崎県生まれ。絵描き。創形美術学校ビジュアルデザイン科を卒業後、渡仏。3年間パリのアーティスト・イン・レジデンス等で活動。現在は東京を拠点に、書籍装画、広告、ファッションやパッケージのイラストやデザインを多数手がけている。絵本の仕事に、『いきものづくし ものづくし』(1巻「くつ」、4巻「さいほうどうぐ」、10巻「むかしのどうぐ」/福音館書店)がある。
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