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月刊クレスコ
2016年9月号
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■目次■
特集=子どもの豊かな成長のために ゼロ・トレランスを問う
「ゼロ・トレランス」は、国立教育政策研究所の「生徒指導体制の在り方についての調査研究」報告書(2006年)で紹介され、文科省が新たな生徒指導プログラムとして学校現場への導入を推奨する中で全国的に広がりました。
学校は、「問題生徒」を排除する徹底した厳罰主義の立場から、生徒の問題行動への対処マニュアルを作成し、それにもとづいた指導の徹底が図られます。生徒指導のマニュアル化は、とりわけ若い教師に、自らの実践の未熟さを補うものとして受け入れられる側面もあります。
教師の多忙化に加え、ベテラン教師の大量退職と若手教師の大量採用は、教師集団に豊かに蓄積された経験の伝承を困難にしています。そこにマニュアル化が入り込むことで、学校から子どもの理解や指導のあり方をめぐる議論の場を消し去るとともに、教師から自由な実践の機会を奪ってしまいます。
本特集では、ゼロ・トレランスとは何か、そのねらいと背景、学校現場における実態を明らかにするとともに、子どもたちが自分を表現しながら豊かに自己形成していくためには何が必要なのか、教育実践の中から明らかにします。
【総論】ゼロ・トレランスから支援的・予防的な生徒懲戒へ……船木正文
【総論】「不寛容」主義の陥穽……折出健二
【滋賀】ゼロ・トレランスが奪うもの、与えるもの……石垣雅也
【広島】生徒指導規程を考える……川口勇貴
【愛知】「待つ指導」が許されない……加藤豊裕
【私学】「ゼロ・トレランス」では主体性が育たない……畑山幸正
【障害児学校】特別支援教育に広がる行動主義……山口 桂
【少年非行】厳罰化でなく子ども・少年たちに寄り添う……伊藤由紀夫
【保護者から】楽しい学校、平和な学校……清木恵子
【保護者から】マラソン大会後のお楽しみ、「豚汁炊き出し」の光景……柿本保子
連載
《私の出会った先生》100%肯定の花マル……北村年子
《みややっこの憲法的日常》この夏の思い出……飯田美弥子
《世界の取材現場から見た日本》銃社会という病理のなかで生きる子どもたち……金平茂紀
《保護者とのいい関係》保護者の抱える「未処理の葛藤」……楠 凡之
《ちょっと気になる子どもたちの“いま”》子どもの心への関心から、人生を学ぶ旅へ……小鹿瞳子
《栄養教諭のお手軽レシピ》「冬瓜のフルーツポンチ」……猪瀬里美
《子どもの本のもつちから》300年変わらないことって?……清水眞砂子
《教育最前線》【就職】高校生の就職内定実態調査……山元幸一
《子どもたちの生きる世界と向き合う》きまりと罰のなかで……東神 大
《教職員が気になる働く権利》セクハラ・パワハラ……富永由紀子
《みんなで学ぼう! 出産・子育て》起立性調節障害……和田 浩
《名画に出会う》モイーズ・キスリング「座る若い裸婦」……堀尾真紀子
《この映画見ましたか?》「アメリカン・スナイパー」……吉村英夫
萩トモローの笑学校
撮影校 水橋高等学校(富山県富山市)
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