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No.401
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■目次■
【特集】
ウェイファインディングデザイン
都市とグラフィックの結節点

世界的なコロナ禍で人々の行動は変容し、多くの人々がそれまでの生活様式にオンラインコミュニケーションや仮想空間などのデジタル技術を取り入れながら、未曾有の危機を乗り越えてきた。期せずして、わたしたちはフィジカルとデジタル、あるいはその重ね合わせという活動領域の多様性を急速に獲得しつつあり、とりまく環境への向き合い方が変化してきている。時を同じくするように、日本では2021年に東京オリンピックを経験し、 2025年には「未来社会のデザイン」「未来社会の実験場」といったことをテーマなどに掲げる2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が予定され、メガスケールの出来事とともに都市のあり方を再考する契機が訪れている。
近い将来、都市そのものの身体性に変化が訪れるとすれば、当然、街中にあふれる標識や案内板などのグラフィックも変化を強いられるだろう。そうした状況をふまえて、都市空間、つまり環境とグラフィックデザインの関係をいまいちど明らかにしておきたい。そのひとつの方法として、本特集では「ウェイファインディングデザイン」に着目する。

ウェイファインディングデザインは空間に連続的に展開し、人々を地理的・情報的にナビゲートすることで、単に道案内をするだけでなく、人々の意識や振る舞いに影響を与えながら、その場所らしさやその都市らしさを生み出す。つまり、ウェイファインディングデザインは都市と人とをつなぐインターフェイスであり、空間の個性と体験をかたちづくる重要な役割をもつ。グラフィックデザインが受けもつ多様な領域の中でも、都市とのつながりが色濃く反映される結節点といえるだろう。
そこで、本特集では、世界で活躍する4つのデザイン事務所の実践を軸に、都市空間とデザインに関わる人々の寄稿や提言を収録した。序論では近代的なウェイファインディングデザインのパイオニアであるデヴィッド・ギブソンが、古代ローマを起点にウェイファインディングデザインの歴史とその役割の変遷をたどる。そして、都市計画研究者・岸井隆幸は、都市構造の変化が引き起こす空間認知の変容に対して、どのような方法で向き合ってきたかを江戸や新宿・渋谷といった都市スケールの視点から論じる。書体設計を専業とするSwiss Typefacesには、空間と文字の関係性と、その文字を適用するデザイナーとの協働の実際を聞いた。最後に、大阪・関西万博にも携わる建築家・豊田啓介が、フィジカル空間とデジタル空間の統合を試みる「コモングラウンド」の取り組みを視座に、これからの社会とウェイファインディングデザインの未来像を語る。

事例をもとにウェイファインディングデザインの現在地を確認しながら、論考によって過去から未来までを接続し、その先を示す道しるべを描く。本特集をこれからの都市とグラフィックデザインのあり方を考えていくきっかけとしたい。

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